酒と小動物DX

ある日突然、大ちゃんは座り込んだまま動かなくなった。

それでも、朝は立ち上がってお見送りしてくれたし、呼べば振り向くし、

母がマロの散歩に行こうとすると、「俺も！」と吼えるから、

いきなりどうにかなるわけではないなと、安心していた。



それから数日後に、あっさりいなくなってしまった。





私にとって、世界で一番大事な可愛い愛犬。と書くのはうそになる。



何年も構ってなかったし。

だって私、犬好きだけど、犬に嫌われるし。

好かれたいけど、どうやって接していいかわかんないんだもん。



そんな悩みがようやく解消出来てきた所だったし。



あの子のいなくなった空間が、ちょっと寂しいだけ。



亡くなった後ママが

「大ちゃんタオル嫌いなのに、あんたが使ってたタオルは頭の下に敷いてたんだよ」って教えてくれたけど、そんな事今更言われても、もう私は何もしてあげられないじゃん大ちゃんのばか、って思うことしか出来ないじゃないか。





亡くなる前日、珍しく彼は私の腕をぎゅっと掴んできました。

「重いんだけど?。なに、甘えてんの？」と話しかけると、じっとこっちをみた。



ん、了解した。



たぶん「ママを頼むよ」って言ってたんだと思う。ママのこと大好きだったから。







だって、彼は亡くなってからも母を守ってくれたから。







次の日、大ちゃんを焼き場に連れて行ったり登録書の書き換えとか色々忙しかった母。

疲れてしまったので、マロの散歩はいつもより遅い時間に行くことにした。



そして、そろそろ散歩に出ようかと思ったら、



母がいつも散歩コースにしている道で、いつも通るぐらいの時間に事故が起こっていたことを知らされる。



それが何だ、偶然じゃないか。通ってたって巻き込まれたとは限らないぞと言ってしまえばそうだけど。

私にとって、救いだった。

大ちゃんは、ママを守るために頑張ってたんだ。と、思えることが出来て。





世界一男前な彼のことを知っていてもらいたくて、長々書きました。

お付き合い下さり、ありがとうございました。